疲労回復に欠かせない「栄養素」と「タイミング」
- MORAX
- 6月10日
- 読了時間: 4分

現代人の多くが抱える“慢性疲労”──オフィスワークや育児、日々のトレーニングなど、エネルギー消耗とストレスは積み重なりやすいものです。
疲労を効率よくリセットし、パフォーマンスを維持・向上させるためには、適切な栄養素の選択と、その摂取タイミングが鍵を握ります。
本記事では、最新の研究知見を踏まえながら主要な疲労回復栄養素を解説し、実践的な「いつ」「どのように」摂るべきかをご紹介します。
1. 疲労のメカニズムと栄養ニーズの変化

運動やストレスによって生じる疲労は、大きく分けて「エネルギー枯渇型」と「酸化ストレス型」に分類できます。
エネルギー枯渇型:筋グリコーゲンやATP(アデノシン三リン酸)の消耗が主因。
酸化ストレス型:活性酸素種(ROS)による細胞障害や炎症反応が主因。
これら両者を同時にケアするには、エネルギー源の補充(炭水化物、クレアチン)、細胞修復(タンパク質・アミノ酸)、抗酸化対策(ビタミンC・E、ポリフェノール類)が不可欠です。
2. 主な疲労回復栄養素とその役割

❶タンパク質&必須アミノ酸(BCAA/グルタミン)
役割:筋組織の修復・合成を促進。グルタミンは免疫機能維持にも寄与。
摂取量の目安:体重1kgあたり1.2~1.8g/日。BCAA(ロイシン・イソロイシン・バリン)の割合を考慮し、1回10g程度を目安に。
❷ビタミンB群(B1/B2/ナイアシン/B6/B12)
役割:糖質・脂質・アミノ酸の代謝を司る補酵素として、エネルギー産生を促進。
摂取ポイント:食事で不足しがちなB1・B6は、運動後30分以内に補給すると、疲労感軽減効果が高まると報告されています。
❸ビタミンC・E/ポリフェノール
役割:ROSを無害化し、細胞膜・ミトコンドリアを保護。
摂取量の目安:ビタミンC 200–500mg/日、ビタミンE 10–15mg/日。ポリフェノールは1日500mg以上が研究で効果的とされています。
❹ミネラル(マグネシウム・鉄・亜鉛)
マグネシウム:ATP生成酵素の活性化に必須。筋けいれん予防にも。
鉄:酸素運搬や電子伝達系を支える。
亜鉛:細胞修復、抗酸化酵素(SOD)の構成元素。
3. 栄養補給の“黄金のタイミング”

❶運動直後(30分以内)
狙い:ゴールデンタイムと呼ばれる筋タンパク合成のピーク。
おすすめ:ホエイプロテイン 20–30g +速攻型炭水化物(グルコオリゴ糖など)20–40g。BCAAを追加するとさらに効果的。
❷食間(午前・午後のスナックタイム)
狙い:血糖値の安定化と栄養素の分散摂取で持続的なエネルギーを確保。
おすすめ:ナッツ+チーズ、ゆで卵+フルーツ、プロテインバーなど。
❸就寝前(60~90分前)
狙い:睡眠中の成長ホルモン分泌をサポートし、夜間のタンパク質分解を抑制。
おすすめ:カゼインプロテイン 20–30g、ギリシャヨーグルト+オメガ3脂肪酸(亜麻仁油など)。
4. 実践プログラム例

時間帯 | メニュー例 |
運動前 | BCAA 5g +マルトデキストリン 20g |
運動直後 | ホエイプロテイン 25g +グルコオリゴ糖 30g |
朝食(運動後) | オートミール+プロテインパウダー、ほうれん草&トマトのスクランブルエッグ |
午前おやつ | ミックスナッツ+ゆで卵 |
昼食 | 鶏むね肉サラダ(ナッツ・アボカド入り)、玄米150g |
午後おやつ | ギリシャヨーグルト+ベリー、亜鉛サプリ1粒 |
夕食 | 焼き鮭120g、ほうれん草のソテー、雑穀ご飯100g |
就寝前 | カゼインプロテイン 25g +亜麻仁油小さじ1 |
5. ワンポイントアドバイス

❶水分補給も忘れずに:細胞内外の代謝・老廃物排出には1日2ℓ以上の水分摂取を。
❷食事の質を優先:サプリメントはあくまで補助。まずはバランスの取れた食事から着手を。
❸継続的モニタリング:疲労度やパフォーマンスの変化を記録し、栄養プランを微調整しましょう。
まとめ
疲労回復には単一の栄養素ではなく、多角的なアプローチが求められます。
エネルギー源としての炭水化物、修復素材としてのタンパク質・アミノ酸、抗酸化・代謝促進栄養素を、それぞれ最適なタイミングで摂取することが、疲労を根本からケアし、明日のパフォーマンスを高める近道です。
本記事のプランをベースに、ご自身のライフスタイルやトレーニング強度に合わせた“オーダーメイド疲労回復プログラム”を設計し、真のコンディションアップを実現してください。
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